ビターからルビーまで。チョコレートの種類まとめ!

こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。

さて、今回はいろんな種類があるチョコレート、その違いをまとめます。

ノワール
ビターチョコとかミルクチョコはわかるけど、最近のブロンドやルビーチョコとかって何なの?

多分同じように感じている人多いはず。ここでは、それぞれのチョコレートの材料が何か、そしてブロンドチョコやルビーチョコが何なのかについてお話ししていきますね。

それでは早速、進めていきましょう!

チョコレートを作る材料

カカオマス

カカオマスは、ローストして粉砕したカカオ豆をすりつぶしたものですね。これがチョコレートのベースになり、カカオの風味を決める素材になります。

どうやって粒から液体へ?ひたすらすり潰していく磨砕とリファイニング。

2020年7月15日

カカオバター

カカオバターは、ペースト状のカカオマスを圧搾して取り出したものですね。チョコレートを作る際には流動性を与えたり、ホワイトチョコのベースになったりします。

カカオバターとは?バターとは違うの?その成分と特徴について

2020年7月24日

砂糖

砂糖はチョコレートを作る上では欠かせない存在です。

16世紀ごろのスペインでは、チョコレートが飲み物として楽しまれていました。ですが味がとても苦く、当時のスペイン人は不満を抱いていたようです。

そこで、当時ヨーロッパで広く使われるようになった砂糖を入れてみたところ、苦味が和らいでカカオの風味が引き立ち、びっくりするほど美味しくなったそうです。

それ以来、チョコレート作りに砂糖は欠かせない存在となっています。

ノワール
苦いチョコって美味しくないもんね!

粉乳

ミルクチョコレートやホワイトチョコレートに欠かせない乳製品。とはいえ、油であるチョコレートに牛乳や生クリームなどの水分をそのまま加えるわけにはいきません。

加えるのは、牛乳を濃縮して高温の乾燥室で噴霧し、瞬間的に乾燥微粒化させた「粉乳」を使います。

粉乳は、牛乳をそのまま乾燥させた「全粉乳」と、脱脂乳を使う「脱脂粉乳」に分けられます。チョコレートに使われるのは全粉乳が多いですね。

レシチン

ノワール
チョコレートの裏に、「レシチン」って書かれてることがあるけど、なに?

はい、レシチンとは「乳化剤」のことですね。チョコレートに使われるレシチンはほとんどが大豆由来となっています。
チョコレート作りにおいての乳化剤は

  • 本来混ざらない水と油を混ぜるようにする
  • カカオマスや砂糖の微粒子を均一に分散する

という役割があります。チョコレートにはわずかですが水分が含まれています。この水分をそのままにすると、粘度の高い扱いにくいチョコレートになってしまいます。
この水分を乳化させて、サラサラの扱いやすいチョコにしているんですね。

また、カカオバター中にカカオマスや砂糖の微粒子を均一に分散させることで、ブルームを防止する役割もあります。

香料

チョコレート製品によっては香料が加えられることがあります。その種類は様々ですが、もっともよく使われているのが「バニラ」です。

バニラはマダガスカルやインドネシア産がメインですが、元々はメキシコ原産のラン科植物です。

ノワール
バニラって、もともとこんな植物だったんだね。

バニラの甘い香りの正体は「バニリン」という芳香物質です。このバニリン、収穫した段階ではほとんど存在せず、「キュアリング」という作業を行って初めてバニリンが生み出されます。

まず、収穫したさやを数分間熱湯に入れ、取り出したら温かいうちに布で包み、箱の中で数日間保温します。その後、昼は天日乾燥、夜は布に包んで保温という作業を数週間〜数ヶ月繰り返して、やっとあの甘い香りが出来上がるんです。

ノワール
バニラもかなり手がかかってるんだね〜。高いのも仕方ないね!

様々な種類のチョコレート

さて、ここからが本題になります。みなさんが知っているチョコレート、どんな材料でできているのでしょうか。順に一つずつ説明していきますね。

ビターチョコ

ビターチョコは一番シンプルな組み合わせですね。基本的な材料としては

  • カカオマス
  • 砂糖
  • レシチン
  • 香料

となっています。一番カカオ感が感じられるチョコレートで、色も濃いですね。カカオ豆の特徴をストレートに出すことができるので、ビーントゥバーメーカーなどでは単一農園のカカオ豆で作ったタブレットなんかも販売してますね。

ミルクチョコ

ミルクチョコは日本人に一番馴染みのある味ですね。基本的な材料としては

  • カカオマス
  • 砂糖
  • 粉乳
  • レシチン
  • 香料

となっています。粉乳の種類を変えたりすることで様々なバリエーションが作れます。

ホワイトチョコ

ホワイトチョコに関しては、チョコと呼んで良いのかどうかの論争が未だに続いています。なぜなら基本的な材料が

  • カカオバター
  • 砂糖
  • 粉乳
  • レシチン
  • 香料

となっており、カカオの風味を担うカカオマスが入っていないから。個人的にはチョコと呼んでいいと思ってます。美味しいし。

フレーバーチョコ

これに関してはホワイトチョコの派生といった感じですね。ホワイトチョコにイチゴやレモン、抹茶のパウダーを混ぜて固めたもの。市販されてるものも基本的に同じです。
ホワイトチョコをベースとしているので、素材の色や風味を全面に出すことができるという特徴があります。

ブロンドチョコ

ブロンドチョコは2013年にフランスのチョコレートメーカー、ヴァローナが発売した「ドゥルセ」という製菓用チョコレートにつけられた呼び名です。材料としてはホワイトチョコと同じです。

このブロンドチョコができた経緯が、ホワイトチョコの製作途中で誤って加熱容器に放置してしまった結果、ミルクがキャラメル化して偶然できたものなんだとか。タルト・タタンの逸話みたいですね。

味はキャラメルとかビスケットみたいな感じです。少し塩気もあって、いつまでも食べられる感じで美味しいです。

ノワール
計量しながら食べちゃたりね!

そう、ついついね。。。
いや、食べてません。人聞きの悪い!

ルビーチョコが出てくる前から「第4のチョコレート」として売り出していたものの、あまり定着はしませんでしたね。

ルビーチョコ

近年、「第4のチョコレート」として日本を騒がせているルビーチョコ。一体何なんでしょうか。開発したのはベルギーのチョコレートメーカー「カレボー」

実はこのルビーチョコ、カレボーが10年の歳月をかけて完成させた新種のチョコで、作り方など一切公開されていません。なのでカレボーのオフィシャル情報を引用することにします。

ルビーカカオ豆内に天然に存在する独特な成分により、これまでになかったルビー色でフルーティーなチョコレートが生まれることを私たちのカカオのエキスパートが発見しました。そして長年の研究結果の結果、この物質が豊富に存在するルビーカカオ豆を特定し、チョコレート製造過程における最適な加工方法を見いだしました。

ルビーカカオ豆はブラジル、エクアドル、コートジボワールなどカカオ産出国で育ちます。カカオ豆がルビーカカオ豆かどうかは、種類や原産によって決まるのではありません。カカオ豆にルビーカカオ豆の特徴をもたらし、ルビーの色と味を引き出す前駆物質が自然に存在するものがルビーカカオ豆なのです。

カレボーの100年以上にわたるカカオからチョコレートに至る専門性、そして選別の技術と最新の注意を払った加工技術によって、ルビーカカオ豆が「ルビーチョコレートRB1」となるのです。
着色料もフルーツのフレーバーも一切使用していません。

何のこっちゃですね。とりあえず、混ぜ物はしてませんよ、ルビーカカオ豆は自然に存在して、製造過程もめっちゃ研究しましたよ、くらいしか読み取れませんね。それくらい企業秘密ということでしょうね。

ただ察するに、操作できるポイントって限られてるんですね。大きく操作できるのって「発酵」「ロースト」くらいなんですね。

発酵に関してはグループ企業のカカオバリー社が、最適な酵母を抽出して発酵を促す技術を持ってます。多分それを応用してるんではないかと。そしてローストに関しては浅め。

左:ホワイトカカオ豆 右:通常のカカオ豆

豆に関しては多分「ホワイトカカオ」的な色の薄い豆を使ってるのかなと。カカオ豆って普通はアントシアニンの影響で褐色なんですけど、白いのもあって。こういう類の豆を使えば、茶色じゃないチョコレートを作ることも可能かもしれないですね。

とはいえ、妄想の域を出ないので聞き流しておいて下さい!
使っている材料は

  • カカオマス
  • カカオバター
  • 砂糖
  • 脱脂粉乳
  • 乳化剤(多分レシチン)
  • 香料

となっています。材料的にはミルクチョコの仲間なんですね。カカオバターは多分粘度を下げる目的で追加されてるんでしょうね。

風味は他に比べてフルーティー。ベリー系の酸味と香りがあります。

チョコ比較一覧

ここまでの話をまとめるとこんな感じになります。

ビターミルクホワイトフレーバーブロンドルビー
カカオマス
カカオバター
砂糖
粉乳
レシチン
香料

ただしここに挙げたのは基本なので、メーカーによっては違いを出すためにカカオバターを足したり、香料や乳化剤を入れなかったりもします。

カカオ分〇〇%の表示について

最後に、みなさんなじみが深いこのカカオ分〇〇%表示。何のことだか分かりますか?実はこれ、カカオマスやカカオバター、ココアパウダーなどのカカオ由来原料の割合を示したものなんです。

ダーク、ミルク、ホワイトの基本の比率を例に出すと

となります。ホワイトチョコみたいにカカオマスが入っていなくても、カカオ分〇〇%と謳えるんですね。

なので同じカカオ分70%のチョコで、こんなこともできます。

まぁ、一番下のはほぼカカオバターなんで美味しくないですけど。参考までに。

まとめ

チョコレートの種類
・基本材料の組み合わせで種類が変わる

・ルビーチョコは企業秘密なので作り方はよく分からない

・カカオ分〇〇%はカカオ由来原料の割合を示したもの

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!

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2 件のコメント

  • すごく分かりやすくて面白いです♪
    自宅で手作りチョコレートをする時は、
    どのチョコレートがオススメですか?(^^)

    • ブッチさん
      コメントありがとうございます。
      家で手作りチョコレートをするのであれば、富澤商店の小分けタイプなんかが良いですね!200gで売ってて種類も色々ありますので、使いやすいですよ!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1984年生まれの大阪在住。 社会人として12年の間、洋菓子業界を様々な視点から経験。現在はフリーランスのショコラティエとしてメディア運営や企業コンサルタントを中心に活動中。