こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。
さて、今回はカカオをすり潰す工程についてお話ししていこうと思います。
そう。カカオニブを取り出しただけではまだチョコレートにはなりません。でも、ここから一気にチョコレートっぽくなります。刮目すべし!です。
では早速進めていきましょう。
すり潰す目的
この工程の目的は主に3つあります。
- ニブの中に含まれているカカオバターを出してペースト状にする
- 砂糖や粉乳など、副材料との混ざりを良くする
- 口当たりを滑らかにする
ですね。
まず1つ目のペースト状にする、ですが、これはゴマをイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
ゴマって、すり鉢でずっと擦っていると油が出てきてペースト状になりますよね?あれと同じです。カカオニブには約55%程度油が含まれていて、これを「カカオバター」と呼びます。すり潰すことでカカオバターがにじみ出てきて、ペースト状になるってことですね。この工程を「磨砕」と言います。
そして、ペースト状になったものを「カカオマス」と言います。このカカオマスは重要なのでしっかり覚えておいてくださいね。
いや、まだ早い。これを冷やし固めるだけでもチョコレートっぽいものにはなるんですが、かなり苦みや酸味がきつかったり、ザラザラとした食感でとても美味しいものじゃないんですね。
これをさらに美味しくするため、砂糖や粉乳などを加えてさらにすり潰していきます。この段階ではまだカカオの粒や砂糖、粉乳の粒が大きく、砂のように舌触りが悪い状態になっています。これを20ミクロンという、超細かい状態にします。この工程を「リファイニング」と言います。
こうしてやっと、チョコレートに近づいていくんですね。
ちなみに製菓材料店でもこのようなカカオマスを買うことができます。これは何も混ぜずに20ミクロン程まですり潰したものです。
味は、、やばいくらい苦いです。なんてったってカカオ分100%ですからね。スーパーに売ってる86%の比じゃないです。もはや兵器です。
すり潰すための機械
確かにできないことはないですね。実際にYouTubeなんかではすり鉢でやっている人もいます。が、恐ろしく時間がかかることと、そんなに細かい状態にはできないのであまり手でやることにこだわる必要はないですね。
大型の工場などではボールミルやリファイナーという機械を使ったりするんですが、ここでは小型の機械を紹介しますね。まずペーストにするために、こちらを使います。
なんか見たことあると思った方、鋭い!こちら業務用ですが、家庭用ではこんなものが売られています。
肉とか野菜とかをミンチにするフードプロセッサーですね。ハンバーグ作りたくなりますね。
あれの数倍強力なやつです。カカオニブは繊維質が多いため非常に固く、ペーストにするために大きなパワーを必要とするんですね。家庭用でやらないでくださいね。確実にモーターがやられます。
そしてさらに細かくするための機械がこちら。
長い間チョコレートメーカーの間で使われてきたこちらの機械、「メランジャー」と言います。原理的には石臼と同じ。加熱しながら回転する石底の上で2つの石のローラーが粒をすり潰すことで、非常に滑らかなペーストを作ることができます。
またこの機械、この後の「コンチング」という工程にも活躍します。またそれは別記事で。
まとめ
・気合いと根性があればすり鉢でもできる
・でも機械を使った方が早いし美味しい
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!