マロングラッセショコラを9日間かけて本気で仕込む

こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。

さて、今回はマロングラッセショコラを作っていきます。控えめに言ってめちゃくちゃ大変でした。特に渋皮むき。ですが達成感は抜群でした!

それでは早速進めていきましょう!

準備するもの

材料

  • 栗 皮付き500g
  • 氷砂糖 1600g(1000g+100g×6回分)
  • ラム酒 60ml
  • 水 栗の煮汁と合わせて1000g
  • チョコレート 適量

栗の名産地、茨城県の笠間から取り寄せた大粒の栗です。品種は恐らく筑波かなと思います。筑波は日本で一番生産されている品種で、栗らしい香りが強いのが特徴です。

高級品種として有名なのは銀寄とか利平とかありますね。利平は甘味が強くて栗の王様と言われています。銀寄は香りと甘味のバランスが取れた品種となっています。

今回は香り重視ということで、筑波を取り寄せました。

氷砂糖

梅酒作るのによく登場しますね。氷砂糖の特徴としてすっきりとした甘さがあるので、今回はこれを使いました。グラニュー糖でも大丈夫です。

ラム酒

ラム酒もたくさん種類があるんですが、今回使ったのはお気に入りのディロンラムです。とにかく香りが良い!栗との相性も抜群なので、迷わずこれにしました。ラム酒にこだわっているパティシエも結構使っています。

オーク樽で長期熟成された品格のある香りと柔らかい風味が特徴で、フランスの高級レストランなんかでは食後酒としても提供されています。

チョコレート

マロングラッセに合わせて選んだのはヴァローナのチョコレート。ナッツ系の香りがするカライブに、甘さ控えめでキャラメルのような香りがするジヴァララクテ、同じく甘さ控えめのホワイト、イボワールです。

ヴァローナは高品質で特徴的なクーベルチュールを多く揃えているので、プロの間でも愛用されています。最近は小分けパックなども販売されていて、一般の人にも買いやすくなりましたね。

器具類

蒸し布

栗が煮崩れしないように包むための布です。他の方はガーゼを使っていることが多いんですが、中に空気がとどまってしまって漬かりが悪くなる気がするので、目の荒い蒸し布を使うようにしています。100均で売ってます。

糖度計

これはあると便利な機械です。液体を窓に乗せてボタンを押すだけで簡単に糖度を測ることができます。今回のようにシロップを作る場合や、フルーツの糖度を測ることもできます。

イタリアンメレンゲや、ジャムを炊く時にも持っていると便利な一台です。今回は無くてもできるような作り方になっています。

以上で必要なものは揃いました。早速作っていきましょう!

作り方

栗をむく

今回の作業のほとんどはこれに集約されているのではないでしょうか。やったことある人ならわかると思いますが、もうね、本当に大変でした。特に渋皮むき。1日これで終わりました。

栗むきのポイントはとにかく、身を傷つけないようにすること。傷がついたところはツヤが出ないです。宝石のように美しいマロングラッセにするために、ここは守っておきたいところです。

鬼皮むき

まずは外側の固い鬼皮をむいていきます。色々なむき方を試した結果、お尻の色が変わる境目あたりから包丁を入れてむくのが一番楽できれいでした。

固いので手を切らないように注意が必要ですが、そこまで大変な作業ではないです。むき終わった栗はアクを抜くため水につけておきます。

渋皮むき

これが本当に大変。まずはお湯を沸かしておきます。

湧いたお湯に栗を一つずつ投入して

竹串を使って傷つけないように少しづつむいていく。要するにトマトの湯むきみたいなイメージですね。表面だけを加熱して、皮をはいでいくっていう。

ただ、栗はトマトと違ってツルンとむけない!非常に難しい、地味ーな作業ですが美しいマロングラッセのために頑張ります。

えらいもので、やってるうちにコツを掴んできます。ポイントは

  • ボッコボコに沸騰した状態のお湯に3分投入
  • 栗の丸い面を最初にむく
  • そのまま平らな面を一気に外す
  • むいてるうちに栗が冷めたらまたお湯に投入する

でした。

こんな感じでペロン、ときれいにむけると快感。

栗らしい形と筋もしっかりと残っていて、非常に良いですね。

そんなこんなで丸一日かけて皮をむき終わりました。栗は本当は1kg買ったんですが、割れたり虫食いだったりで半分しかきれいなものが残りませんでした。残りは別のものに使うようにします。

栗を包む

茹でるための下準備です。栗が煮崩れしないように、蒸し布を適当な大きさにカットしてタコ糸で結んでいきます。

栗を茹でる

今回は圧力鍋を使いました。強火で圧力がかかるまで5分、そこから弱火で5分、あとは自然冷却です。ここでしっかりと柔らかく煮ておくのがポイント。

シロップに漬ける

煮終わったら栗を引き揚げて、煮汁と分けます。

煮汁を計って水を足して1000mlになるようにします。これで氷砂糖1000gを溶かしてシロップにします。

氷砂糖は溶けにくいので、砕きながら溶かしています。

糖度を計ってみると、この時点で48.2度でした。少し溶け残っているので、こんなもんでしょう。溶け残りもじわじわ溶けていくと思います。

栗をシロップにつけて、キッチンペーパーで落とし蓋をして1日放置します。

糖度を上げていく

1日経ちました。ここからはひたすら糖度を少しづつ上げていく作業になります。まずは栗を引き揚げます。

氷砂糖を100g投入して溶かします。これで糖度が5度上がって、55度になりました。

溶けたら栗を戻してまたキッチンペーパーで落とし蓋をする。

途中から氷砂糖が溶けにくくなってきたので、ミルで砕きました。グラニュー糖であれば必要ない作業ですね。

これをあと5日間繰り返して、シロップの糖度を80度まで上げていきます。

糖度が上がってくるにつれてキッチペーパーや鍋の周りに結晶化した砂糖が付き始めます。チェックのために毎日糖度を計っていましたが、計算通り最終日には80度くらいになってくれました。

最終日は氷砂糖を溶かした後にラム酒を加えます。この瞬間の香りがたまらなく良い!これは作った人の特権ですね。

この状態でまたキッチンペーパーをかぶせて、翌日引き上げます。

引き上げ

ようやく引き上げです。まずは弱火で栗の芯までじっくりと加熱します。ここで加熱が弱いと引き上げた後に乾かないので、時間をかけて加熱しましょう。

包んだ栗が崩れないように、そっと引き上げます。

ハサミを使って糸を切り、布をほどいていきます。

はい、もう美味しいやつですね。見ただけでやられるやつです。ツヤッツヤで、非常にきれいです。

全て開き終わったら、油を塗った網に乗せて半日〜一日乾かします。これで表面が結晶化(グラッセ)するので、マロングラッセということですね。

チョコがけ

このマロングラッセだけの状態でも十分美味しいんですが、今回はさらにチョコレートをかけていきます。一応、ショコラティエなので。

チョコレートはダーク、ミルク、ホワイトの3種類。テンパリングは電子レンジです。テンパリングって何?って方はこちらへ

テンパリングの意味って?必要な理由と基本原理を解説!

2020年7月20日

電子レンジのテンパリングを少し説明すると、チョコレートを少しづつ溶かして混ぜるを繰り返します。チョコの塊が溶け切った時点で33℃を超えていなければOKという感じです。

もし超えてしまってもフレーク法に切り替えることができます。何より電子レンジのテンパリングは洗い物が少なくていいですね。

栗っぽい見た目にしたかったのと、マロングラッセだけの部分も楽しめるように下半分だけにチョコがけしています。立てて固めればよりカワイイですね。

まとめ

というわけで、完成です!皮むき1日、煮るのに6日、乾かし1日、チョコがけ1日の計9日間のマロングラッセショコラ作りでした。

とにかく渋皮むきが面倒臭い!そしてそれ以降も手間がかかってる!そりゃマロングラッセ高いですわ。

栗の香りとラム酒が合わさって、幸せな気分になれるマロングラッセ。紅茶と一緒にちびちび食べたいですね。皆さんも栗があるうちに作ってみて下さい!

作る様子を動画にまとめました。

 

↑よければチャンネル登録もお願いします。

マロングラッセ
・渋皮むきは湯むきの要領で

・崩れないように包んでしっかりと柔らかく煮る

・糖度は少しづつ上げていく

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!

sponsored link

2 件のコメント

  • 初めまして。かずちゃんと、申します。

    マロングラッセ初めて動画を視ながらつくらさすていただきました。艶々でラム酒の良い香りがたまらないです。
    味もまた祝福の甘さと和かさです。(*´・ω・`)b
    ありがとうございました
    そして、コロナ禍ですがお仕事頑張って下さい‼️
    動画をたのしみにしています。

    • 中嶋さん、初めまして!作ってくださりありがとうございます!

      マロングラッセ、たまらないですよね✨僕は今年まだ仕込めてないので、そろそろやりたいなと思っています。

      これからも頑張りますので、よろしくお願いします

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    1984年生まれの大阪在住。 社会人として12年の間、洋菓子業界を様々な視点から経験。現在はフリーランスのショコラティエとしてメディア運営や企業コンサルタントを中心に活動中。