【ボンボンショコラ】フランボワーズとラムレーズン

こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。

さて、今回はフランボワーズとラムレーズンのボンボンショコラを作っていきます。ボンボンショコラは今回が初ですね。作り方を見たことがない人にとっては面白いかも知れません。

このボンボンショコラ、実は身近な人のお祝いのために作りました。先月結婚式を挙げた友人のために、何かお祝いで作ってあげたいなと思ったのがきっかけで。二人が好きなお酒を効かせた、可愛くもめでたい感じのチョコレートに仕上げました。

それでは早速、進めていきましょう!

準備するもの

材料

フランボワーズのボンボンショコラ

パートドフリュイフランボワーズ
  • フランボワーズピューレ 41g
  • 水 21g
  • ペクチン 2.7g
  • グラニュー糖 29g
  • トレハロース 6g
  • クエン酸 微量
ガナッシュフランボワーズ
  • 生クリーム35% 33g
  • フランボワーズピューレ 21g
  • 転化糖 3.8g
  • ヴァローナ マンジャリ 33g
  • バター 9g
  • オードヴィフランボワーズ 1g

ラムレーズンのボンボンショコラ

ラムレーズン
  • レーズン(カレンズ) 適量
  • ラム酒 適量
ラム酒のガナッシュ
  • カレボーミルクチョコ 823 56g
  • 生クリーム35% 33g
  • 転化糖 3g
  • バター 3g
  • ラム酒(ディロン) 4g

共通

シェル
  • ビターチョコ 適量
  • カカオバター色素 適量

ヴァローナ マンジャリ

フランボワーズのボンボンショコラにつかったチョコレートです。このマンジャリはマダガスカル島で採れたカカオ豆を使った、ベリーのようなフルーティーな風味が特徴です。

今回合わせるフランボワーズ、つまりラズベリーとの相性とも抜群なので、これを使うことにしました。

カレボー ミルクチョコ 823

823って、商品名なんです。カレボーはベルギーのチョコレートメーカーで、商品に番号の名前をつけることが多くて、他にも「811」とか「3815」とかあります。変わってますよね。

この823はミルクチョコレートで、少しキャラメルの風味があります。ベルギー系のミルクチョコレートは結構優しい味のものが多いですね。

転化糖

転化糖というのは水飴の一種ですね。ガナッシュに入れることで糖の再結晶化を防いだり、焼き菓子に入れると保湿の効果もあります。焼き色が付きやすくなるという効果もありますので、オーブンの設定には注意が必要ですね。

器具

モールド(型)

モールドというのは、チョコレートの型のことですね。本当に色々な種類があって、僕はチョコレートワールドというブランドのものを使っています。

材質はポリカーボネートでできていて、結構頑丈なプラスチックといった感じです。今回は結婚のお祝いと言うことで、ハート型を使ってみました。

作り方

ラムレーズン

今回も登場しました、お気に入りのディロンラムです。本当に良い香りします。これをレーズンがひたひたになるくらいに注いで、ぴったりとラップをして電子レンジで加熱します。

途中何度か味見をして、アルコールがきちんと飛んでいればOKです。美味しいので、味見で無くならないように注意!できれば前日に作っておいてしっかりと染み込ませる方が美味しくできます。

パートドフリュイフランボワーズ

パートドフリュイというのは、フルーツゼリーのことですね。フルーツゼリーって、おばあちゃんの家で出てくる固くて甘すぎるゼリーのことをイメージすると思うんですが、パートドフリュイは全くの別物。

ちゃんと作られたパートドフリュイは瑞々しくて、フルーツの感じがしっかりとあって美味しい。今回は中に詰めるので、ソースのように柔らかく仕上げました。

作り方は、クエン酸以外の材料を鍋に入れて糖度60℃まで煮詰めます。

前回のマロングラッセでも登場した糖度計が今回も活躍していますね。

マロングラッセショコラを9日間かけて本気で仕込む

2020年10月27日

糖度60まで煮詰めたら、クエン酸が入ったボウルに入れてよく混ぜます。
今回凝固剤として使っているペクチンは酸と糖に反応して固まる性質があるので、クエン酸が必要なんですね。

出来上がったらぴったりとラップをして常温で冷やしておきます。

色付け

モールドにカカオバターの色素で色付けしていきます。今回はおめでたい感じなので、紅白をベースにしました。

赤と白だけだと単調で奥行きのない色になってしまうので、赤には金を、白にはシルバーを重ねています。金婚式、銀婚式まで幸せが続きますようにという思いも重ねて。

色付けはエアブラシという機械を使いました。エアブラシというのは、空気の力で液体をスプレーできる機械のことですね。女性であればネイルなんかでみたことがあるかも知れません。

こんな感じで、カカオバターをスプレーしていきます。カカオバターも温度が高すぎると艶が出ないし、低すぎると途中で詰まってしまったりで色付けできない。ちょうど良い温度で作業するのが結構難しかったりします。

テンパリング

テンパリングは、チョコレートの温度調整のことですね。テンパリングについてはこちらに詳しく書いているので参考にしてみて下さい。

テンパリングの意味って?必要な理由と基本原理を解説!

2020年7月20日

今回は御影石を使ってテンパリングをしています。

ボンボンショコラを作るときって、いかに周りのチョコレートを薄くするかっていうのが重要かなと思っていて。やっぱり中身を食べさせるものだと思うので。厚いコーティングは食感の妨げにもなりますし。

テンパリングの方法って色々あるんですが、この御影石を使うやり方が一番チョコレートの流動性が高くなります。同じチョコなのに、不思議ですよね。

テンパリングが取れたら、色付けしたモールドに絞っていきます。型の縁いっぱいまで絞るのがポイント。

そして型をひっくり返してたたき、チョコを落とします。このたたき具合によってもチョコの厚みが変わるので、繊細な作業です。

この角度、流れるチョコが美味しそうですね。これで中身が空洞なチョコレートが出来上がるんですね。

ガナッシュ

ラム酒のガナッシュ

ガナッシュの作り方は簡単に言うと、溶かしたチョコレートに液体を混ぜる、ということになります。ラム酒のガナッシュはまずミルクチョコを40℃くらいで溶かして、同じく40℃くらいに温めた生クリームと転化糖を少し注ぎます。

そしてホイッパーで混ぜる。この時ザラザラと分離しますが、気にせず次の生クリームを注ぎます。

3回くらい繰り返していると、ザラザラがなくなって滑らかな状態になります。これが乳化状態です。

あとはバターとラム酒を入れて混ぜる。出来上がりの温度が30℃くらいになっていればOKです。

ガナッシュフランボワーズ

フランボワーズの方も同じですね。水分量が違うので若干乳化するポイントが違いますが、基本的には同じ手順です。ピンク色がかわいいですね。

組み立て

さて、全てのパーツが揃ったので組み立てていきます!まずはラムレーズンの方から。

漬けておいたラムレーズンを先に入れておきます。型の半分より少し少ないくらいにしました。

その上からガナッシュを絞ります。これも型のいっぱいまで絞るのがポイント。

絞り終えたら、余分なガナッシュをヘラでこそげ落とします。

フランボワーズの方はパートドフリュイを先に絞っておきます。

その上からガナッシュを絞って

同じように余分を落とします。

この状態でガナッシュが固まるまで涼しいところで1日置いておきます。

ガナッシュが固まったら、テンパリングしたチョコレートを上に絞ります。

それから一気に余分を落とす。

ガナッシュ含めチョコレートって、固まると少し縮む性質があるので、型より少しへこんだ状態になっているんですね。なのでその部分にチョコレートが残って、蓋ができるというワケ。面白いですね〜

完成!

というわけで、型から外して完成です。ピッカピカでキレイですね〜

色も派手すぎず、落ち着いたお洒落な感じの紅白になりました。金と銀のグラデーションがキレイです。

中に仕込んだラムレーズンとフランボワーズのパートドフリュイが良い感じです。お酒もしっかりと感じられる、良いボンボンショコラが完成しました!喜んでくれると良いですね。

作業の様子を動画にまとめました。

 

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ラムレーズンとフランボワーズのボンボンショコラ
・シェルを薄くするには石を使ったテンパリングが最適

・ガナッシュは液体を少しづつチョコレートに注いで乳化させる

・エアブラシという機械でモールドにスプレーして色付け

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!

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ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれの大阪在住。 社会人として12年の間、洋菓子業界を様々な視点から経験。現在はフリーランスのショコラティエとしてメディア運営や企業コンサルタントを中心に活動中。