こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。
さて、今回はチョコの歴史を大きく変えた発明についてです。
そうなんです。遥か昔、紀元前から、チョコレートは飲むものでした。しかし現代のチョコレートといえば固形の食べ物として認識されていますね。
どこで歴史が変わったのか、その詳しい内容について、これからお話ししていきますね。
それでは早速、進めていきましょう!
チョコレートの四大発明
チョコレートが現代のようなお菓子として楽しまれるために、重要な4つの発明がありました。それが
- ココアの発明
- 食べるチョコレートの発明
- ミルクチョコレートの発明
- コンチェの発明
です。一つずつ説明していきますね。
ココアの発明
確かにブランドとしても有名ですが、バンホーテンはココアの歴史における重大な発明をした人です。彼の発明には2つあって、1828年には特許も取得しています。それが
- アルカリ処理
- 圧搾
です。まずは当時の様子をお話しましょう。
19世紀のスペインでは依然として、すりつぶしたカカオに砂糖やミルクを入れて飲料として飲んでいました。
ですが問題点があって、一つ目が、発酵を終えたカカオ豆に含まれている酢酸などの有機酸。
この有機酸のせいで酸味や、温めると鼻を突く酸臭も強かったようです。
そして二つ目の問題点が、カカオに55%程含まれるカカオバターでした。このカカオバターの影響で水やミルクとも混ざりにくく、決して飲みやすいものではなかったようです。
これを解決したのが、オランダ人のC・Jバンホーテン。
彼は酸味の強いこの飲料をアルカリで中和することにより刺激や渋みを減らし、香りもよりマイルドに飲みやすくしました。そして色調にも変化があり、深みのある赤みがかった色になりました。
この方法でアルカリ処理する方法を「ダッチプロセス」と言い、現代もココア製造法の基本として本質的には変わっていません。
このダッチプロセス、アルカリ処理の度合いによって様々な種類のココアパウダーを作ることができるんですが、それついてはまた別途お話しますね。
そしてさらに、カカオ豆からカカオバターを部分的に取り除く圧搾機を開発しました。この圧搾機のおかげで、カカオマスに含まれる油分を55→28%まで減らすことができたと言われています。
そして残ったものを粉砕したものが、ココアパウダーということですね。このおかげで油分が少なくなったココアは、お湯とも混ざりやすくなりました。
それまでコーヒー・紅茶に大きく遅れをとっていたココアですが、この2つの発明によって飲み物としての歴史は大きく進歩したというわけですね。
そしてさらに、ココアの副産物として生まれたカカオバターがこの後、重要な役割を果たすことになります。
食べるチョコレートの発明
それは1847年のイギリスの菓子職人、ジョセフ・フライによって大きく変わります。それまでの飲むチョコレートに対して彼は、イーティングチョコレート、つまり食べるチョコレートを発明しました。
彼はカカオ豆と砂糖をすりつぶした中に、カカオバターを加えました。それまでココア製造の副産物であったカカオバターを初めて利用したんですね。
それによって携帯できて、湯に溶かす手間も省け、しかも腐らない長期保存可能な現代のチョコレートの原型が出来上がっていきました。
いや、そんなことはないですね。このイーティングチョコレートに繋がるヒントとなるようなものは、古くからありました。
1600年頃のスペインでは、カカオ豆をペッパー、バニラ、アニスや砂糖と共に砕いたものを固めて売られていたことが紹介されています。
またフランスではルイ16世の妃、マリー・アントワネットのためのチョコレートも作られていました。
彼女は薬を飲むのを嫌がったため、ルイ16世が専属薬剤師のスピルス・ドゥボーヴに命じて、薬をチョコレートで包み込んだものを作らせました。
これをマリー・アントワネットは「ピストル」と名付けました。この「マリー・アントワネットのピストル」は現在もパリのチョコレート店「ドゥボーヴ・エ・ガレ」の看板商品として購入することができます。
ともあれ、古くからあったヒントにカカオバターを加えるという画期的な手法で、イーティングチョコレートはその後のチョコレートの主流となっていきました。
ミルクチョコレートの発明
バンホーテンの発明により一躍進化を遂げたココアは、その後ミルクを入れて楽しむことが一般的になっていました。
その一方で、イギリスで発明されたイーティングチョコレートにはミルクが入っていません。それは、まだ粉ミルクが発明されていなかったから。
カカオ豆の約55%はカカオバターという油でできているので、水分の多いミルクを加えてしまうと分離して流動性が悪くなってしまうことに加えて、カビが生えるなどの原因にもなってしまうんですね。
それを解決したのがスイス人のダニエル・ペーターです。彼は液状のチョコレートに練乳を加えて長時間撹拌することで、ミルクの水分が飛び粒子が均一に分散できる手法を開発しました。
この方法により、1876年、ミルクチョコレートの誕生となるわけです。
ちなみに使われた練乳は、1866年に設立されたアングロ・スイス練乳会社が開発したものを利用したと言われています。
これを引き継いだのがネスレのミルクメイドだったんですが、2020年に製造終了してしまいましたね。残念。やっぱり練乳は森永ですね。
コンチェの発明
チョコレートを製造する上で欠かせない「コンチング」というものを以前説明しましたね。
ココア、イーティングチョコレート、ミルクチョコレートと3つの発明により現在のチョコレートの形にかなり近づきました。ですがまだ舌触りがザラザラとしています。
これを解決したのがスイス人のロドルフ・リンツです。彼は1879年、コンチェという機械を発明しました。
これはメソアメリカのメタテとマノという石臼の原理を使ったもので、カカオ豆やトウモロコシをすり潰すために古くから使われていました。
リンツは石臼に見立てた底の浅い容器にチョコレートを入れ、回転する石のローラーでカカオや砂糖の粒子を細かくするという手法をとりました。
現代で言うところの、メランジャーといった感じですね。
これによりチョコレートはなめらかな食感となり、また長時間撹拌することで水分や不快な酸を飛ばすことができるようになりました。
ちなみにリンツといえば、やっぱりリンドールですね。この記事を読んでから食べるとよりなめらかに感じるとか感じないとか。
まとめ
・ジョセフ・フライのイーティングチョコレート
・ダニエル・ペーターのミルクチョコレート
・リンツのコンチェ
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!