チョコレートを練る?さらに美味しさを引き出すコンチングについて

こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。

さて、今回はカカオを練る工程、コンチングについてお話ししていこうと思います。

ノワール
もう十分滑らかになったじゃん!早く食べようよ〜!

まぁまぁ、そう焦らずに。確かにさっきのリファイニングで細かくはなったんだけれども、美味しさのためには「練る」ことが必要なんです。もう少しの辛抱です。

では早速進めていきましょう。

コンチングの目的

以前こちらの記事で書いたんですが、発酵を終えたカカオ豆には酢酸が含まれていましたね。

チョコレートと発酵?実はめっちゃ重要なんです!

2020年7月10日

酢酸というと、お酢の成分です。リファイニングを終えたチョコレートの中には実はまだこの酢酸が残っているんですね。つまりこの時点ではまだ、酸っぱくて美味しくないチョコレートの状態ということです。

この酢酸を始めとして、余分な水分や臭気成分を飛ばすことが、このコンチングの最大の目的となります。また、カカオバターを均一に行き渡らせる意味もあります。

コンチングの方法

コンチングをするための機械は色々なものがありますが、どれにも共通して言えることは「熱を加えながら混ぜる」ということです。各メーカーによって、温度は45℃〜105℃、時間は数時間〜数日とかなり違いがあります。

ところで、熱を加えながら混ぜるというポイント、覚えてますか?前回のリファイニングの工程で登場したこの機械

メランジャーと言いましたね。この機械も、熱を加えながら混ぜることができます。実際に混ぜている様子がこちら

ノワール
っていうことは、リファイニングとコンチングを同時にできるってことだね!

そういうこと!コンチングには専用の機械「コンチェ」というものもあるのですが、めっちゃ高い!大きなものになると1台1億円を超えることも!なので最近のビーントゥバーなどの小規模メーカーでは、このメランジャーでコンチングまで行うことがほとんどです。

コンチェの由来
コンチングの機械は1879年、スイスのチョコレート職人ロドルフ・リンツが考案しました。チョコレートを流し込むボウルの形が「コンチ」という貝に似ていたことから、機械は「コンチェ」と名付けられました。

コンチングの注意点

チョコレートを美味しくするためのコンチングですが、やりすぎもよくないと言われています。というのも、不必要な臭気成分や水分を飛ばす際に、チョコレート本来の風味も揮発してしまうからです。

なので各メーカーはどのような味を求めるかによって、温度や時間を調整しているのです。

ノワール
何事もほどほどにしておくのがいいってことだね〜

まとめ

コンチングについて
・不要な物質を取り除いてチョコレートの風味を引き出す

・リファイニングとコンチングをメランジャーという機械で同時に行うメーカーもある

・コンチングもやりすぎは禁物

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!

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ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれの大阪在住。 社会人として12年の間、洋菓子業界を様々な視点から経験。現在はフリーランスのショコラティエとしてメディア運営や企業コンサルタントを中心に活動中。