こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。
さて、今回はカカオのローストについてお話ししていこうと思います。
そうですね。最も重要な発酵を終えてできた成分が、このローストでさらに変化します。チョコレートの風味を作る上で欠かせないロースト、一体どのように行われているのでしょうか。
ローストする理由
確かに最近は「ローチョコレート」と言って、ほぼローストをしないチョコレートも出てきてはいるんだけど、多くのチョコレートはローストをしています。主な理由はこれから話しますね。
チョコレートらしい風味を引き出すため
一番大きな理由がこれですね。発酵した後のカカオ豆内部のイラストをもう一度見てみましょう。
ここで注目してもらいたいのが「糖」と「アミノ酸」です。ローストすることによってこの2つが「メイラード反応」を引き起こします。この反応によってチョコレート特有の香りが生まれます。
食品を加熱したり、保存している間に糖とアミノ酸によって引き起こされる反応。パンや肉に美味しそうな焼き色が付き、良い匂いがするのもこのメイラード反応によるもの。名前はフランス人医師で科学者のルイ・カミーユ・メヤールに由来する。温度によって生成される香気成分が異なるが、詳しいメカニズムは未だに解明されていない。
このメイラード反応により生まれる香りは様々で
- フルーツの様な香り
- ハーブの様な香り
- ナッツの様な香り
- キャラメルの様な香り
- 土の様な香り
などと例えられ、香気成分は1000種類以上と言われています。これらの香りが複雑に絡み合って、チョコレート特有の風味に繋がっています。
皮をむきやすくするため
チョコレート作りには、カカオ豆の中身である「カカオニブ」のみを使用します。ローストすることによって豆の水分が飛び、皮との間に隙間ができることでむきやすくなるという効果があります。
殺菌のため
カカオ豆は選別後に一度高温の水蒸気でを滅菌処理をしています。その後乾燥させ更にローストすることによって、付着した細菌などの微生物を死滅させることができます。
ローストの方法
ローストの温度と時間
一般的にカカオ豆は低い温度、100〜140℃で15〜30分ほどローストされます。コーヒー豆が150〜200℃以上でローストされることに比べるとかなり低いですね。
これには理由があって、ロースト温度が高すぎるとチョコレートらしい風味が全て飛んでしまい、苦みや焦げ臭がしてしまうからです。
ちなみにフォラステロ種などのベースビーンズは高めの温度で、クリオロ種などのフレーバービーンズは低めの温度でローストされることが多いです。
豆ロースト法
豆のままローストする方法です。この方法のメリットは、豆が皮に包まれた状態でローストをするので、香気成分が逃げにくいことです。デメリットとしては、豆ごとのローストむらが出やすいことです。
ニブロースト法
カカオ豆を先に砕いてローストする方法です。この方法のメリットは粒が小さくなるので、ローストむらが出にくいことです。しかし皮が砕かれているので、香気成分が逃げやすいというデメリットもあります。
ローストのための機械
大規模な工場ではカカオ豆専用のロースターが導入されていることもありますが、ここでは小〜中規模メーカーが使用している機材をご紹介します。
業務用オーブン
パティスリーやベーカリーでよく使われているオーブンです。熱源が上下にあるため、途中でかき混ぜながらローストする必要があります。
コーヒー豆焙煎機
その名の通り、本来はコーヒー豆をローストするための機械です。ドラム部分が回転するので、むらなくローストをすることができます。
まとめ
・低めの温度で、豆のままや砕いた状態でローストする
・専用の機械の他に、製菓用やコーヒー用のロースターも使用されている
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!