生チョコとは?チョコとどう違う?その定義や作り方について

こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。

さて、今回は皆さんにとっても馴染みの深い、生チョコについてのお話しです。

ノワール
あのとろける食感がたまらないんだよね〜

そうですね。そんな生チョコとは一体なんなんでしょうか?そして実は日本だけ定義があるんです。これからそんな生チョコについてお話ししていきますね。

それでは早速、進めていきましょう!

生チョコとは?

ノワール
生チョコってなんで生なの?生っぽいから?

いえ、生っぽいから生チョコというわけではないですね。実は生チョコはガナッシュをそのまま冷やし固めてカットしたものなんですね。

ノワール
そもそも、ガナッシュってなに?

ガナッシュっていうのは、チョコレートに生クリームを混ぜ合わせたものですね。ボンボンショコラの中身やケーキなんかにも使われたりする、基本的な素材です。

要するに生チョコは「生クリームを混ぜたチョコレート」だから略して生チョコということですね。

起源

生チョコの原型となるものは1930年代、スイスで生まれました。現地では「パヴェ・グラッセ(冷たい石畳)」と呼ばれています。

日本ではココアをまぶすのがメジャーですが、スイスでは粉糖をまぶすのが一般的で、その様子が凍った石畳を連想させることからこの名前がつきました。

ちなみにヨーロッパではこの類のチョコレートは「パヴェ・ド・ジュネーブ」とか「パヴェ・ド・パリ」などと、地名を付けられています。いずれにせよ、ヨーロッパでは石畳が通称なんですね。

発祥

日本では1988年に、神奈川の洋菓子店「シルスマリア」が生み出したと言われています。

当時生クリームをたっぷり混ぜたカスタードをパイで挟んだ商品「生パイ」があり、それになぞらえて生チョコという商品名にしたそうです。

現在では洋酒や抹茶を合わせたり、アールグレイや金ゴマなど、バラエティーも豊かに展開されているそうです。

定義

そんな日本で生まれた生チョコですが、日本だけはきちんと定義があります。

  • チョコレートが全重量の60%以上
  • 生クリームが全重量の10%以上
  • 水分が全重量の10%以上

これがガナッシュ部分の定義ですね。

ここから更にココア、粉糖、抹茶などのパウダーをまぶすか、チョコレートで作った殻に詰めてガナッシュが全重量の60%以上チョコレートが全重量の40%以上であることとなってます。

結構細かいですね!

作り方

生チョコ=ガナッシュということで、ここではガナッシュの基本的な作り方についてお話しします。

そもそも、チョコレートにはカカオバターという油分がたくさん含まれていることは以前お話ししました。

ビターからルビーまで。チョコレートの種類まとめ!

2020年7月25日

そして混ぜる生クリームは水分。普通に混ぜたのでは水と油は混ざり合わないですよね。

そこで重要なのが「乳化」になります。

ノワール
乳化って、なに?

乳化とは、本来混ざり合わない水と油を混ぜ合わせて均一な状態にすることを言います。

身近なところではマヨネーズですね。あれはサラダ油とお酢を混ぜて作りますが、その時に重要となるのが天然の乳化剤である卵黄の「レシチン」となります。

卵黄があるおかげで、本来混ざらない油とお酢が混ざり合うんですね。

チョコレートに卵黄は使わないですが、乳化剤はすでに含まれています。それが大豆由来のレシチンです。これも以前の記事に書いてますので、読んでいない方はチェックしてみてください。

とはいえ、きちんとした方法を取らないと乳化剤が含まれていても混ざらない「分離」状態となってしまいます。

乳化の方法

チョコレートと生クリームを乳化させる方法には2つあります。それが

  • 分散乳化法
  • 転相乳化法

です。違いは生クリームを一気に入れるか、少しづつ入れるかですね。一つずつ解説します。

分散乳化法

  1. ボウルの中に刻んだチョコレートを入れる
  2. 生クリームを沸騰直前まで熱し、1に流し入れる
  3. チョコレートが溶けるまでしばらく放置
  4. チョコレートが解けたら、ボールの中心から円を描くようにクルクルと混ぜ合わせる
  5. 中心から外側へ向かって少しずつ円を広げながら混ぜて全体を均一にする

転相乳化法

  1. ボウルにチョコレートを入れて湯煎や電子レンジで40℃くらいに溶かす
  2. 生クリームを50℃くらいまで温める
  3. 溶かしたチョコレートに生クリームを少しだけ入れて混ぜる
  4. 混ざったら更に少し入れて混ぜる
  5. 途中分離してモロモロの状態になるが、気にせず繰り返す
  6. 何回か繰り返すと、ツヤのある乳化状態が生まれる
  7. 全ての生クリームを入れて全体を均一にする

この2つ、乳化させるという目的は同じですが仕上がりは違ってきます。おすすめは後者の転相乳化法。乳化力が強く、失敗しにくい方法ですね。出来上がったガナッシュも滑らかです。

分離する原因

ガナッシュが失敗する原因としては色々ありますが、大別すると温度か分量に問題がある場合が多いです。

  • チョコレートが溶けきらないうちに混ぜてしまった
  • 生クリームの温度が低かった
  • 時間がかかって温度が下がってしまった
  • 生クリームを火にかけすぎて水分が蒸発してしまった
  • そもそも生クリームの分量が少ない

などですね。温度を上げるか生クリームを足すかすれば解決すると思います。

あと、ブレンダーがあれば便利ですね。強力に乳化させてくれるので、失敗することが少ないです。仕上がったガナッシュも非常に滑らかです。

まとめ

生チョコ
・生クリームを入れたチョコレートだから生チョコ

・日本では神奈川のシルスマリアが発祥

・ガナッシュは乳化が大事

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!

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ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれの大阪在住。 社会人として12年の間、洋菓子業界を様々な視点から経験。現在はフリーランスのショコラティエとしてメディア運営や企業コンサルタントを中心に活動中。