【バレンタイン直前】プロのショコラティエが教える、テンパリングのやり方まとめ

こんにちわ。こちらは『チョコレートをエンターテイメントにする』をテーマに、×Chocolatのakiが綴るブログです。チョコレートの面白さについて、様々な角度から発信しています。

さて、バレンタインも近づいてきましたね。この時期になるとお菓子作りにチャレンジする人が増えますね。と同時に、お困りの方も急増します。

特に多いのが、チョコレートのテンパリングについて。上手く固まらなかったり、変な模様が出てきたり、食べても美味しくなかったり。

せっかくなら上手に作りたいですよね。そんな方のために、テンパリングの実践編を作りました。理論については以前記事にしたので、そちらをどうぞ!

テンパリングの意味って?必要な理由と基本原理を解説!

2020年7月20日

動画の方では初めて喋りました。カメラを前にして一人で喋るって、慣れないですね!でも、話した方が伝わることもあると思うので、これからも懲りずにちょくちょく喋っていこうと思います。

 

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そしてテンパリングを取ったチョコレートで、マンディアンを作りました。お好きなナッツやフルーツを乗せて、簡単デコレーション。袋に入れてシールを貼るだけでもカワイイですね!

それでは早速、進めていきましょう!

テンパリングの方法について

以前の記事でもお話しした通り、テンパリングの方法には

  • 水冷法
  • 電子レンジ法
  • フレーク法
  • タブリール法(大理石法)

があります。今回行うのは、水冷法以外の3種類です。水冷法は湯煎などの準備が必要だし、何より水分が入るリスクが大きいので。あえてやるメリットが無いですね。なので取り上げていません。

タブリール法については一般家庭に大理石や御影石の台なんてあまり無いと思うので、お鍋で代用しました。要は冷えればいいということで。

そしてこの3種類、順番にもちゃんと意味があります。最初の電子レンジ方で失敗しても次のフレーク法で、フレーク法でダメでも最後のお鍋を使ってリカバリできるようになっています。

温度について

テンパリングにおいて最も重要なもの、それが温度です。チョコレートの温度を上げ下げして、最適な状態に整えていきます。

最終的な温度の目安は、ビターチョコレートで31〜32℃ミルクチョコレートで30〜31℃ホワイトチョコレートで28〜29℃を目指すようにします。

目安と言いましたが、温度は使うチョコレートによって微妙に変わってくるんですね。同じミルクチョコレートでも31℃を超えても大丈夫なものもあります。

カカオバターや乳脂肪の量によって変わってくるので、このあたりは試して調整するしかないですね。

そして意外と見落としがちなのが室温。チョコレートを作る時に最適な室温は20〜22℃。暑くてもきちんと固まらないし、寒くてもすぐ固まって作業にならない。

この時期は寒いので、部屋を暖房でガンガンに暖めているという方もいるはず。少し我慢して、最適な室温をキープするようにしてみて下さいね。

必要なもの

材料

  • 明治ミルクチョコレート50g×4枚(200g)

今回は電子レンジ法で3枚、フレーク法で1枚の計4枚使います。

そして初めて、明治のミルクチョコレートを使ってみました。理由はみなさんが手に入れやすいのもあるんですが、植物油脂が入っていないのが主な理由です。

植物油脂が入っていると温度条件が変わってしまいますからね。カカオ分が少ないのでクーベルチュールとは呼べないですが、家庭で作るには十分使えると思います。

最近は100円ショップでも製菓材料を手に入れることができますね。植物油脂が入っていないものもあるので、探してみて下さい。もちろん製菓用のクーベルチュールでも大丈夫です。

クーベルチュールの意味がわからない方は、こちらの記事をどうぞ!

クーベルチュールとは?普通のチョコとどう違う?その意味や定義について解説!

2020年9月17日

器具

  • 電子レンジ対応のボウル
  • ゴムベラ
  • 包丁
  • まな板
  • 温度計
  • ドライヤー
  • 厚手の鍋

器具については一般家庭にもあるものばかりかなと思います。温度計なんかは100円ショップでも売ってますしね。今回はデジタルの棒温度計を使いました。

ただ、本格的にチョコレートに挑戦したいという方には、赤外線式の温度計をおすすめしています。

これ、僕がいつも使っている温度計です。食品に触れることなく、一瞬で食品の温度を測ることができます。日本製でかなり正確なので、シビアな温度調整が求められるテンパリングにも使えますね。洗い物も増えないので、非常に便利!

以上で必要なものは揃いました!それではテンパリングを始めてみましょう!

テンパリング実践

電子レンジ法

電子レンジ法は使う器具が一番少なくて済む、お手軽な方法です。注意点としては

  • 長時間電子レンジにかけるとチョコが焦げるので、こまめに混ぜる
  • 新品、もしくはきちんとテンパリングが取れたチョコレートでしかできない

というところですね。

まずはミルクチョコレート3枚、150gを細かく刻みます。

そしてボウルに移し、電子レンジにかけていきます。今回の設定は全て500Wで

  • 30秒×2回
  • 20秒×1回

かけました。チョコレートの温度や電子レンジの機種によっても時間は変わってくるので、様子をみて調整して下さいね。あと、電子レンジは中心部から熱が入っていくので、焦げないように間で必ず全体を混ぜるようにします。

そしてかけ終わった状態がこちら。まだチョコレートの溶け切っていない部分がありますね。

これを、ドライヤーで少しづつ溶かしていきます。風を当てては塊を潰すように混ぜる。これを繰り返します。

途中の様子。まだ少し塊がありますね。

最終的に全ての塊が溶けた時、31℃以下に収まっていればテンパリング完了です!

試しに、スプーンにチョコレートを少し付けてみます。2分ほど置いてみて、このように固まっていればOK!

試しに、温度を上げてテンパリングを崩した時、どうなるか見てみましょう。

同じようにスプーンにつけて置いておいても固まらず、指に付いてしまいます。不思議ですね〜

いつまでたっても固まらない、テンパリングに失敗したという人も大丈夫!次のフレーク法を試してみましょう!

フレーク法

フレーク法は、溶かしたチョコレートに刻んだチョコレートを足してテンパリングをとる方法ですね。注意点としては、加えるチョコレートは新品か、しっかりテンパリングが取れたものを使うことですね。

まずはとっておいたミルクチョコレート1枚を刻みます。

そして先ほど失敗したチョコレートを再度電子レンジで温め、45℃まで上げます。

そして刻んだチョコレートを加えて混ぜる。

ざっくり全体を混ぜて、2分ほど放置。この間に溶けたチョコレートの熱で、刻んだチョコレートが少しづつ溶けていきます。

混ぜてみて塊が溶けていればOK!溶けていなければ先ほどの電子レンジ法と同じように、ドライヤーを当てて少しづつ溶かしていきます。

これも最終的に溶け切った時、31℃以内ならテンパリング完了です!

これもテンパリングチェック。試しに温度を上げた方はやはり固まってませんね。

そして電子レンジ法でもフレーク法でもダメだったという人、諦めないで!最後のタブリール法があります!

タブリール法(お鍋Ver.)

タブリール法は、溶かしたチョコレートの一部を冷まして、温かいチョコレートの中に戻す方法ですね。

この方法は今までの2つとは違い、テンパリングが崩れてしまったチョコレートにも使えるということ!つまり、何度でもチャレンジできるんですね!

まずは、先ほど失敗したチョコレートを電子レンジで45℃まで温めます。そして2/3程を、お鍋の中に入れます。

そして鍋肌をこするように、チョコレートの温度を少しづつ下げていきます。

量が少ないので温度は計りませんが、もったりとしてきたら元のチョコレートに戻します。温度で言うと27℃くらいかなと思います。

これでしっかりと混ぜて、温度が31℃以内ならテンパリング完了です!もし温度が高い場合は、少し鍋に戻してを繰り返します。冷ましすぎて粒が残った場合は、今までと同じようにドライヤーで少しづつ温めます。

テンパリングチェックをして、きっちりと固まっていればOK!もしいつまでたっても固まらなくて、失敗しても大丈夫!また45℃まで温めれば何度でもチャレンジできます!

マンディアンを作る

テンパリングの取れたチョコレートを使って、マンディアンを作りました。といっても流して乗せるだけなので超簡単。

こんな感じのケーキトレーを準備します。100円ショップでも売ってますね。

いつもなら絞り袋を使いますが、今回はスプーンで直接分けていきます。思ったよりもったりしていて扱いづらいですが、出来ないことはない。製菓用のクーベルチュールならサラッとしていて扱いやすいんですけどね〜

分けたら型をトントンして、チョコレートを平らにします。素早くしないと、チョコレートが固まってきてしまいます

あとは、お好みでナッツやフルーツを乗せて完成!今回はオレンジピールとクルミ、アーモンド、ピスタチオ、クランベリーを乗せています。

フルーツとナッツがミックスになったものも売ってますのでそれでも大丈夫。アラザンなんかを乗せても良いですね。

ちなみにオレンジピールは自家製。作り方はまた今度上げようと思います。

残ったチョコレートは袋に入れて、薄く伸ばしておけば次使うときも楽です。もちろんそのまま食べても。

テンパリングが上手くいかなかった時も、このように袋に入れて1日置いておけば固まります。そして再度、タブリール法でトライしてみましょう!

まとめ

以上がテンパリングのやり方になります。できる限り分かりやすく伝わるように、そして簡単にできるように考えました。

このブログや動画を見て練習すれば、きっと出来るようになると思います。

そしてテンパリングが出来るようになれば、クッキーやマカロンをチョコがけしてオシャレに仕上げることもできる!応用が効くので、ぜひマスターして欲しいなと思います。

テンパリングのやり方まとめ
・電子レンジ法、フレーク法、タブリール法でテンパリングをする

・明治ミルクチョコレートは31℃を超えないように

・テンパリングをマスターすれば、応用が効く

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、よいチョコレート日和を。
Bon Chocolat!

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ABOUTこの記事をかいた人

1984年生まれの大阪在住。 社会人として12年の間、洋菓子業界を様々な視点から経験。現在はフリーランスのショコラティエとしてメディア運営や企業コンサルタントを中心に活動中。